今は昔。落語の「ら」の字も知らなかった私にとって、落語との出会いは大学入学時「落語好きに悪い人はいないよ!」という落研のわるい人からの一言でした。学生時には落語の魅力に取りつかれ、私なりに腕を上げては単位を落としてきた四年間…なんとか無事に卒業することができ、どうせ就職するなら好きな世界で働きたいと平成26年に私の師匠、小せんの門をたたきました。前座、見習い修行ののち平成31年無事に二ツ目に昇進が叶いました。
さて二ツ目に昇進以降はより多くの方に落語をたのしんでいただけるように一席でも多く高座に上がることを目標として精進していきたいと思っております。落語には、古典落語と呼ばれているいわゆる昔から存在する話が500種類前後、一説には1000種類近くあるともいわれています。ただその中身は登場人物が失敗をする噺がほとんどです。私は落語をあえて形容するなら『失敗学』であると思っています。失敗はモノが上手くいかないという反面どこか人間的な愛嬌を感じさせてくれます。「失敗は許されない」昨今ですが、「失敗しかしない」ような落語の住人にも魅力があります。そんなようなことを伝えられるようになりたいなあと感じ考えております。それはさておき、お客様には只々、楽しんでもらうことが一番です!今後ともどうぞよろしくお願いいたします。